第63回 全国市販酒きき酒会(2023年10月21日開催)

東京小売酒販組合主催の「第63回 全国市販酒きき酒会」が10月21日、秋葉原駅近くの東京小売酒販会館で開催されました。

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第63回 全国市販酒きき酒会 - 東京酒カレンダー

もともと、東京都内の酒販店の勉強会として始まった会だそうで、日本酒をもっと知ってもらいたいということから、一般にも公開されるようになったそうです。

置かれているお酒は、これまで取り引きがあった酒造メーカーのリストから、お酒を提供いただけるメーカーのお酒が並べられているとのこと。大口のぐい呑みに注がれたお酒をスポイトですくって、プラカップに入れて試飲するスタイル。

「うーん、これはお酒が酸化するし、スポイトで吸い上げたんじゃお酒の味が損なわれるのでは?」と内心懸念するところではありました
おそらく少しずつ味わって欲しいという主催者の意図なんだろうとは思います。

会場には利き酒クイズが設けられ、正解者の中から抽選で景品がもらえるそうです。日本酒の濃さや辛さ、それから吟醸酒や本醸造酒など日本酒の造りを当てるクイズで、日本酒を飲み慣れていても改めて聞かれると「あれどっちだっけ?」とわからなくなるもので、楽しめるものでした。

[クイズ用の投票用紙とアンケート]

またクイズでは番外編として設けられていたビール当てクイズもも大変面白いものでした。アサヒスーパードライ、キリン一番搾り、サッポロ黒ラベル、サントリープレミアムモルツを当てるもので、普段意識して飲んでいないからか、どれがどのメーカーのビールか改めて聞かれると、違いを分けるのは難しいものでした。
会場には日本酒の他、焼酎や泡盛、リキュールなども並べられていて、日本で造られているお酒の数々を知る機会となりました。

[ききビールクイズ]

とっておきのお酒

『勢正宗』丸世酒造店/長野県
 小売店の会のため、酒造の方は少なかったが、1軒だけブースを構えて日本酒を勧める親父さんがいらっしゃた。長野県中野市の丸世酒造店の関康久さんだ。出していたのは四段仕込みというちょっと変わった日本酒。
普通の日本酒は三段仕込みだから、1工程作業が多い日本酒と言える。丸世酒造店ではもち米を熱いままモロミに投入する「熱掛四段仕込」という独自の手法を使い発酵させているとのこと。
以前筆者は同じようにもち米を使った四段仕込みのお酒を福島県で味わったことがあった。しかし、もち米を熱いまま発酵中のモロミに投入するということは聞いたことがない。関さんに詳しくお聞きすると「ある先生が熱いまま入れても問題ないから、試しにやってみたらと言われてやってみたらいいお酒ができたんですよ」と微笑んでいた。
実際に口にしたお酒は柔らかく、芳醇というよりは和三盆のような程よい甘さと滑らかさを感じるものでした。都内では限られたお店にだけ小売で卸しているということで、見かけたらぜひ手に取ってもらいたい1本だ。
[丸世酒造の関康久さん]
[勢正宗び純米大吟醸と純米吟醸]

関連イベント情報

第7回酒屋角打ちフェスが、11月17日〜19日の日程で上野恩賜公園で開催されます。
入場料は500円。秋深まる上野の公園でお酒と楽しんでみてはいかがでしょうか。

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第7回 酒屋角打ちフェス - 東京酒カレンダー